相続で未登記の不動産がある理由!未登記のデメリットや相続方法を解説

不動産のこと

福田 善行

筆者 福田 善行

不動産キャリア19年

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相続で未登記の不動産がある理由!未登記のデメリットや相続方法を解説

不動産を相続する予定のある方にとって、登記は必要不可欠です。
しかし、亡くなった方の名義で不動産が放置されたままになる未登記のケースは少なくありません。
そこで本記事では、未登記の不動産がある理由を解説します。
合わせて登記をしないデメリットや相続方法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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相続する以前に未登記のままになっている理由

相続する以前に未登記のままになっている理由

ここでは、なぜ登記をしない不動産が生まれてしまうのか、理由を解説します。
権利関係が複雑になりやすいので、理由を把握して自分に当てはまっているか確認してください。

義務ではないから

相続する以前に登記をしていない方がいるのは、義務がそもそもないからです。
法的拘束力もなく、放置しても問題ありません。
義務ではない以上、登記をせずに放置をしてしまう方が多い傾向です。

自己資金のみで建てたから

登記が必須になるのは銀行からローンを借りるケースであるため、自己資金のみで建てると登記をしていない可能性が十分にあります。
銀行では抵当権を建物に付ける必要があり、登記の作成が欠かせません。

相続する未登記の不動産をそのままの状態にするデメリット

相続する未登記の不動産をそのままの状態にするデメリット

不動産の所有者が誰なのかを知るために、登記はしておくべきです。
未登記のまま放置してしまうとどのようなデメリットがあるのか解説します。

10万円以下の過料が科せられる

登記を怠ってそのままの状態にしてしまうと、10万円以下の過料が科せられるデメリットがあります。
過料の支払いを防ぐには、表題部の変更があったとき、1か月以内に申請することです。
具体的には建物の新築や増築、解体などのタイミングで、申請期間は不動産登記法によって義務付けられています。
登記をしないと所有権が誰なのかがわからず、他の人に主張しても効力がありません。
土地と建物にそれぞれ登記する必要がありますが、借地上に建物を建てる場合があるでしょう。
その場合は土地に借地権がある登記をしなくても、建物の登記のみで借地権を主張できます。

売買に手間がかかる

未登記の状態で不動産の売買はできますが、売主が不動産の所有者であることを証明しないと買主が怪しんでしまいます。
たとえば買主が不動産の所有者を主張しても、確認できないと購入しにくいでしょう。
仮に買主が購入を決断しても、売主が別の方に売却済みであるケースも考えられます。
つまり、不動産を相続する予定のある方は、表題登記と所有権保存登記をしなければなりません。
通常の物件売買に比べて注意点が多くなるので、結果的に売買の手間がかかってしまいます。

証明が困難になる

不動産の所有者が亡くなって放置すると、誰が所有者なのかの証明が困難になります。
所有権がわかる資料を処分したり、建築主も亡くなったりすると、証明する方法が見つかりにくいです。
何世代にも渡って放置した際には、相続人の数が増えてもともとの所有権を探すのに時間と手間がかかります。
自分の所有権を守り、かつ後世の所有権の調査で困らせないために、登記をおこなってください。

相続する不動産が未登記のときに受け継ぐ方法

相続する不動産が未登記のときに受け継ぐ方法

相続する不動産が未登記の状態で受け継ぐには、いくつかの方法があります。
期限が決められている場合もあるので、早めに登記をするようにしてください。

相続人を探す

まずは登記をするために、相続人を探す必要があります。
たとえば祖父母も父母も亡くなってしまった場合、相続する子どもがたくさんいるでしょう。
父母の子どもの把握はしやすいですが、祖父母の子どもも存命の可能性があるので把握が必要です。
考えておくべきケースは、数次相続になります。
数次相続とは、被相続人が亡くなった後、遺産分割が決定しないまま相続人の1人が亡くなってしまう状況です。
被相続人がなくなる前に子どもが亡くなる代襲相続とは異なり、配偶者も相続人になるので覚えておきましょう。
理由は祖父母の財産を受け継ぐ権利を有した方が亡くなると、その権利が相続財産として移転するからです。
もっとも簡単な方法は相続人の所在がわかって連絡をすることですが、何年何十年も連絡を取っていないと所在がわからない方が多くいます。
その場合は、戸籍謄本や除籍謄本で現在の住所がどこなのかを把握する方法を利用してください。
祖父母の戸籍の中から子どもを探す順で探せば、現在の所在がわかります。
作業に慣れなくて自分でできるか不安な方は、弁護士などの専門家に依頼すると良いでしょう。
手間がかからずに探せるメリットがありますが、依頼するための費用がかかるデメリットがあります。

相続する財産を把握する

未登記の場合でも、登記をしていない旨や固定資産税の評価証明書の記載があれば相続が可能です。
しかし、未登記は遺産の情報を明確にするものなので、調査が困難なイメージがあるでしょう。
法務局にも情報が登録されておらず、別の手がかりを探す必要があります。
そこで手がかりになるのが、納税通知書です。
自治体によって課税されているケースがほとんどであり、未登記の不動産も記載されている可能性が十分にあります。
それでも見つからない場合は、市区町村の役場で名寄帳を調査してください。
名寄帳を利用すると、固定資産税を課税した被相続人の不動産がわかり、未登記の不動産を見つけられます。

遺産分割協議をする

相続人が誰なのかがわかったら、連絡をして遺産分割協議をしましょう。
遺産分割協議とは、被相続人の遺産を誰が何をどれくらい得るのかを話し合うことです。
合意して決めた結果は、遺産分割協議書に記載しておく必要があります。
スムーズに全員の合意を得て決められれば問題ありませんが、話し合いが上手くいかないケースは少なくありません。
たとえば合意しない相続人が、金銭で要求する場合があります。
他にも連絡をしても無視をし続ける場合もあり、遺産分割協議の進行具合は人それぞれです。
仮に無理な要求をされたなら、弁護士に相談して解決してもらってください。
最終的に話し合いがまとまれば、遺産分割協議書に相続人全員の押印を実印でもらいます。
併せて印鑑証明書が相続登記を申請するときに必要になるので、準備しておきましょう。

登記をする

遺産分割協議で誰が何を相続するのかを決めたら、相続登記をしましょう。
手順は遺産分割協議書を作成後、表題登記を法務局に申請してください。
表題登記は土地家屋調査士に依頼するケースが一般的で、建築時の書類が必要です。
築年数が古くて保管が徹底されていないと、書類を見つけるのが困難でしょう。
しかし、法務局に相談すればスムーズに手続きができます。
続いておこなうのが、建物を所有するのが誰なのかを記録する権利部登記です。
自分でも登記ができますが、司法書士に代行してもらう方が多くいます。
ここまでが未登記のときに受け継ぐ方法ですが、近日中に建物を取り壊す場合は登記の実務はほとんどありません。
建物がなくなったことを家屋滅失届として役所に出すだけで、建物に対して固定資産税を支払うリスクを防げます。
自治体によって届出の呼び方が異なるので、解体した旨を伝えてください。

まとめ

相続で未登記の不動産があるのは、義務でもなければ自己資金で登記をする必要もないからです。
しかし、そのままの状態にすると、10万円以下の過料が科せられたり、手続きに手間がかかったりします。
不動産を受け継ぐ場合は相続人を把握して、遺産分割協議後に登記をしてください。

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