空き家の外壁塗装をしていないとどうなるのか?施工時期と理由なども解説

不動産のこと

福田 善行

筆者 福田 善行

不動産キャリア17年

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空き家の外壁塗装をしていないとどうなるのか?施工時期と理由なども解説

空き家を所有している方はその管理に頭を悩ませるものですが、定期的なメンテナンスは必要で、そこには外壁塗装も含まれているわけです。
外壁が劣化していれば見た目にも良くないうえ、家屋の構造にも影響が出ている恐れもあります。
ではその外壁塗装について、しないとどうなるのか、どういったタイミングでおこなうのか、またなぜおこなうのかその理由についても解説していきます。

空き家であっても外壁塗装をしていなければどうなるのか

空き家であっても外壁塗装をしていなければどうなるのか

相続などで空き家を所有している方にとって、その家屋の維持は意外と大変で、定期的に庭の植栽の剪定や雑草の処理、また室内の掃除などをしなければいけないわけです。
ただこれらをいくらこまめにおこなったとしても、実はもっと重要な部分を忘れているケースが多く、その代表的なものが外壁です。
外壁の役割としてまず挙げられるのが、屋根と同じく雨や風などの自然環境から室内とそこにいる住人を守るといったものがあります。
また住人のプライバシー保護や遮熱の役割、そして屋根と比べ人の目に触れる部分であるため美観の点でも重要となり、外壁はいわばその建物の顔とも言える部分なのです。
つまりいくら空き家だからと言っても、その顔の部分は意外と重要で、そのままにしておくと資産としての価値が下がっていくだけなのです。
外壁の寿命は一般的には10〜20年とされ、その素材によっても立地や自然環境によって幅があり、短い場合は10年に満たないといったケースもあります。
外壁の劣化症状の判断をするポイントとしては、まずツヤがなくなる、変色や褪色しているといったものがあり、これは風雨などが原因の塗膜部分の劣化によるものです。
次に表面に白い粉が付きはじめるといったもので、チョーキングと呼ばれ、こちらは塗装に使われている顔料が劣化して粉状になる現象となります。
また劣化が進むとその表面が保水性を持つようになり、そのため藻やカビが繁殖し、また大気中の汚染物質も付着しやすくなり、それにより劣化がさらに進むわけです。
こうして劣化が進むとどうなるのかと言えば、まず心配されるのが雨漏りでこれにより室内にもカビが繁殖し、さらにその胞子が室内を循環し繁殖範囲が広がっていきます。
カビは吸い込むと咳や胸痛、呼吸困難、倦怠感や頭痛といった症状を引き起こすとともに、アレルギーの原因ともなるやっかいなものです。
またカビだけでなく、雨が染みこむとその家屋の構造体自体にも影響が出て、木造であればその木材の腐食や、それにともなうシロアリの発生といったものが考えられます。
鉄骨造であれば鉄骨の部分にサビが発生してしまい、木造であっても鉄骨であっても構造体の安全性が著しく失われていくわけです。
この構造体の部分にダメージがあると、その建物全体の補修が必要となり、外壁塗装をする以上に費用がかかってしまうため、劣化を感じたら早めの処置が必要です。

空き家の外壁の塗装はどの時期におこなえば良いのか

空き家の外壁の塗装はどの時期におこなえば良いのか

空き家の外壁塗装の時期は、その使われている塗料によって変わってくるため、まずは所有する空き家の外壁を確かめるとともに、塗料の特徴についても見ていきます。
まずはアクリル系塗料ですが、こちらはアクリル樹脂から作られるもので、安価ですが耐用年数が5〜7年と短いため塗り替えにはほとんど使われません。
次にウレタン樹脂から作られるウレタン塗料があり、アクリル塗料より耐用年数は長くなりますが、こちらも最近はほとんど使われなくなりました。
耐用年数と費用対効果という点で見ると、シリコン塗料がそのバランスに長けていて、さまざまな商品が出回っている人気の塗料です。
また現在もっとも使われているのがラジカル塗料で、シリコン塗料とほぼ同じ価格でありながら、耐用年数は12〜16年とシリコン塗料よりも長いのが特徴です。
そして耐用年数が15〜20年と長く、耐熱性や防水性にも優れ、カビや藻が発生しにくい素材としてフッ素塗料があり、ただ価格が高いため一般住宅ではあまり使われません。
ではこれらの塗料の特徴を理解したうえで、空き家の外壁塗装をする時期について解説していきますが、その判断材料としての劣化現象を以下に記していきましょう。
まず先述したように塗料のツヤがなくなってきた、またチョーキング現象が見られるといったものがあり、これは塗膜や塗料が剥がれてきているサインとなります。
こういった塗膜部分の劣化や塗料の剥がれ以外の劣化現象としては、たとえばクラックと呼ばれるひび割れができているケースがあります。
ひび割れがあるとそこから直接雨が室内に侵入していき、建物自体の劣化を引き起こすため、発見次第早急な対応が求められるものです。
このひび割れができるほど劣化が進んでいると、同時にカビや藻の発生が見られるケースも多く、劣化現象がさらに進む危険性があるわけです。
こうした劣化現象は目視によって確認しなければならないため、築古の物件であればこまめに点検して、少しでも異常が認められる場合は、早めに塗り替えをおこなってください。

空き家に外壁塗装が必要な理由について

空き家に外壁塗装が必要な理由について

空き家等対策の推進に関する特別措置法によれば、空き家とは概ね年間をとおして居住やその他の利用がされていない建築物となっています。
そして分類上は4つの空き家があり、もっとも問題となっているのがその他の住宅と呼ばれるもので、長期にわたって放置されている可能性が高くなります。
つまり長期的に住人が不在の状態であるため、管理がされずさまざまなトラブルが発生する恐れがあり、さらに近年増え続けていて、社会問題化しているのが理由として挙げられるわけです。
こうした空き家がもたらすトラブルとしてまず挙げられるのが、家屋の劣化による倒壊の危険性や倒壊はないにしても屋根や外壁材の落下や剥落も考えられます。
次にごみの不法投棄や小動物、害虫などの発生による衛生面での影響も大きく、周辺の住民の生活環境へ与える被害は小さくはないのです。
また不審者が出入りするようになり、結果そこが犯罪の拠点となったり、不審火や放火といった重大な事態に発展したりする恐れもあります。
こうした状況への対策として国土交通省は前述の特別措置法のなかで、特定空家として各自治体がそれを指定できるようにしました。
この特定空家とは保安上危険があり、また異臭など衛生上有害、さらに周辺環境を乱し街の景観も損なっているとされる空き家を言い、各自治体により指定されます。
この特定空家に指定されると、まず行政からの指導が入り適切な管理を促されますが、改善が見られないとみなされた場合は、勧告さらには命令が入ります。
それでもその所有者に改善の意思が見られないのであれば、50万円以下の過料処分となり、行政代執行となる場合もあるため、速やかな対応が求められるわけです。
また特別空家に指定されると、固定資産税の軽減措置を受けられなくなり、最大で固定資産税が6倍にもなってしまうケースもあります。
もちろん劣化が進んでいくにつれ、建物の構造自体にもその劣化がおよび、資産価値も著しく低下していくため、空き家の放置は長い目で見ると良い面はないのです。
特定空家に指定されない、また周辺の環境へ悪影響を与えないためにも、さらに資産価値も考えたうえで、結論的には外壁塗装は必要であると言えるでしょう。

まとめ

所有する空き家は定期的なメンテナンスが必要ですが、所有者にとっては時間的にも労力的にも、また費用面でも負担の大きなものです。
だからと言ってその家屋を放置しておくと、特定空家に指定されてしまうケースもあるわけです。
周辺への悪影響も考えたうえで、その管理を今一度見直してみてください。
お気軽にご相談ください!

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