相続財産が不動産の場合は共有が良い?持分割合やよくあるトラブルとは

不動産のこと

福田 善行

筆者 福田 善行

不動産キャリア19年

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相続財産が不動産の場合は共有が良い?持分割合やよくあるトラブルとは

相続財産が建物や土地の場合、複数の相続人でどのように財産を分けるか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では不動産の共有とは何か、持分や各所有者ができること、よくあるトラブルについて解説しています。
建物や土地を相続予定の方、財産の分け方で困っている方はぜひ参考にしてください。

相続不動産の共有とは

相続不動産の共有とは

不動産は金銭と違って分けられませんが、複数人で共有できます。
ここでは不動産の共有とはどのような状態か、持分や他の相続方法についても解説しているので参考にしてください。

不動産の共有

不動産の共有とは、建物や土地に複数の所有者がいる状態を指します。
亡くなった人の財産が不動産の場合も、金銭のようには分けられませんが、所有権の割合で財産を分けられます。
法定相続分に従えば、遺産分割の協議を行わなくてもスムーズに不動産の所有権を分けられるでしょう。
ただし複数の所有者がいる場合、所有権を持っているからと言ってすべての行為が単独でできるわけではありません。
行為によっては、所有権を持つ過半数もしくはすべての方の合意を得る必要があり、注意が必要です。

共有持分

共有持分とは、各相続人の所有権の割合です。
遺言がない場合や遺産分割の協議を行わない場合、法定相続分に沿って持分が決まります。
遺産分割の協議とは、財産を分けるための相続人による話し合いです。
全員が集まり、誰がどの財産をどのくらい取得するかを具体的に話し合って決めます。
また、法定相続分は民法で定められた各相続人の取り分割合です。
たとえば配偶者と子ども2名の場合、配偶者は2分の1、子どもは2分の1を均等に分け4分の1ずつとなります。
協議の必要が無くスムーズに財産を分けられる点から、法定相続分に沿って持分を決める場合が多いでしょう。

相続不動産を共有しない方法

亡くなった方の財産が建物や土地の場合、共有の他に方法がないわけではなく、他の方法もあります。
たとえば売却して現金に換え、金銭を公平に分ける方法です。
売却時は、一度名義を代表者の単独名義にするとスムーズに手続きできます。
ただし遺産分割協議書に明記しておくなど、あとで贈与と間違われるなどトラブルが起きないよう注意が必要です。
また、1人が単独で所有し、他の相続人にその分の代償金を支払う方法もあります。
亡くなった方の同居人が、そのまま引き継いで住み続けたい場合などにこの方法が使われます。
価値によっては代償金が高額となる場合もあり、慎重な判断が必要です。
その他にも分割し、分割分を各相続人が単独所有する方法があります。
広い土地の場合は分割可能ですが、小さい土地や建物などでは難しいでしょう。

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相続不動産の共有持分でできること

相続不動産の共有持分でできること

所有者が複数いる不動産は、行為によって他の所有者の合意が必要なものと、必要なく単独でできるものがあります。
ここでは保存行為・管理行為・処分行為、3つの行為について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

保存行為

保存行為は、他の所有者の合意が必要なく、持分保有者が単独で行える行為です。
保存行為とは、共有物の現状維持を目的とした行為です。
財産価値の維持に繋がり、持分保有者全員の利益になるため、単独での判断・実行が認められています。
たとえば、雨漏りや設備の故障などの不具合に対し、修理をする行為が保存行為に該当します。
建物全体が変わるような大規模な修繕や、おしゃれにする目的のリフォームなどは保存行為ではなく変更行為とみなされる可能性があり注意が必要です。
また、不動産が第三者に不法占拠されてしまった場合の明け渡し請求も保存行為に該当し、単独で行えます。

管理行為

管理行為は、持分割合の過半数以上の合意が必要な行為です。
管理行為とは、共有物の性質を変えずに、利用や改良をする行為です。
ここでいう過半数とは、所有者の人数ではなく、割合を基に考えます。
たとえば3名の内Aが5分の3、BとCが5分の1ずつ持分を所有している場合、BとCの2名が合意しても過半数には至らず実施できません。
管理行為の利用は不動産を賃貸物件として収益を上げる、改良はリフォームなど不動産の価値を上げるなどが該当します。
賃貸物件として利用する際、土地の場合5年以内、建物の場合3年以内と貸し出す期間が定められています。
それ以上の期間は管理行為の範囲を超えると見なされ、持分保有者全員から合意が必要です。

処分行為

処分行為は、持分保有者全員の合意が必要な行為です。
処分行為とは、変更行為とも呼ばれ、共有物の性質を変更する行為を指します。
たとえば建物や土地の売却、建物の解体、長期間の賃貸物件利用などです。
短期の賃貸物件利用は前述したように管理行為にあたりますが、長期の場合は借地借家法で借主が保護され、制限が強くなるため処分行為となります。
自分の持分のみの売却や解体、賃貸物件利用は単独で行えますが、全体に関しては他の所有者の合意が必要となり注意が必要です。

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相続不動産の共有でよくあるトラブルと解消法

相続不動産の共有でよくあるトラブルと解消法

複数の所有者がいる不動産は、持分保有者間のトラブルが起きやすいため、判断する前によくあるトラブルや解消法を理解しておくのが重要です。
ここではよくあるトラブルと、その解消法の1つである共有物分割請求訴訟について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

よくあるトラブル

所有者が複数いる不動産は管理や変更などに持分保有者の合意が必要ですが、意見が合わない、連絡が付かないなどのトラブルが良くあります。
とくにトラブルが起きやすい状態が、不動産の所有者が数十人や数百人に上っているメガ共有です。
相続後、遺産分割や登記をせずに放置してしまうと、法定相続分にしたがって持分が分けられ、何代にも渡って持分保有者がねずみ算式に増えていくでしょう。
増え過ぎると連絡先が分からない、誰が引き継いだかさえ分からないなどのトラブルが発生し、合意を得るときなどの連絡が困難です。
一部の希望だけでは賃貸経営や売却などができず、不動産の活用が難しいほか、固定資産税や修繕費用の負担を誰がするのかなどの決定も難しいでしょう。

解消法

解消する方法として、裁判所を通じて共有物の適切な分割を行う、共有物分割請求訴訟があります。
たとえば固定資産税などの負担や賃貸経営の管理の煩わしさから、単独所有権に変更したい、所有権を手放したい場合などに利用可能です。
民法258条2項によると裁判所による分割方法には現物分割と競売がありますが、状況によっては裁判所がその他の解決方法を裁定する場合もあります。
現物分割とは、物理的に分割する方法です。
たとえば1つもしくは複数の土地を単独所有地に分け、持分の価値に過不足が発生した場合は、その分を金銭で補います。
競売は、競売にかけて得た金銭を分割する方法です。
物理的な分割が難しい場合や、現物分割で著しく価値が減少する場合などに利用されます。
その他の分割方法には、全面的価格賠償などがあります。
全面的価格賠償は1人が単独所有権を得る代わりに、所有権を失った者に金銭を支払う方法です。
ただし、この方法は常に許可されるわけではなく、対象物の状態や発生経緯など諸事情に基づき必要と見なされた場合にのみ利用されます。

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まとめ

亡くなった方の財産が不動産の場合、所有権の割合で財産を分けられます。
ただし、持分保有者が単独でできる行為もあれば他の保有者の合意が必要な行為もあり、注意が必要です。
スムーズに財産を分けられるからと安易に判断せず、よくあるトラブルを知ったうえで判断しましょう。

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